台湾地区における酒・たばこの専売制度には50年余りの歴史があり、この専売期間においては専売による利益徴収を行ったため、関税、営業税、酒・たばこ税は一時的に徴収していませんでした。しかし、社会の変化や経済自由化の政策、並びに世界貿易機関(WTO)への加盟を受けて、台湾の酒・たばこ専売制度は2002年1月1日に幕を閉じ、正式に税制課税が始まりました。
税法基準
たばこ税・酒税の課税範囲は国内生産(製造、包装などの関連行為を含む)または海外輸入の酒・たばこに対し、酒・たばこの出荷時または輸入時に徴収します。
納税義務者
たばこ税・酒税の納税義務者は以下の通りです。
- 国内製造の酒・たばこの製造企業。
- 委託代理製造の酒・たばこに関しては、その受託製造企業。委託企業が課税される酒・たばこの製造企業である場合は、主管税務機関に申請し、委託企業を納税義務者とすることができます。
- 国外からの輸入たばこ・酒については、物品受取人、船荷証券または物品の持ち主。
- 裁判所およびその他の機関が競売にかけ、税金未納の酒・たばこは、落札者。
- 免税の酒・たばこを譲渡またはその他の用途に用いるため、免税規定に符合しない場合、譲渡または別の用途に用いる人または物品の所有者。
税率
たばこの課税項目および徴収税額は以下の通りです。
- 紙巻たばこ:1000本につきNT$1590。
- 葉たばこ:1kgにつきNT$1590。
- シガー:1kgにつきNT$1590。
- その他のたばこ製品:1kgにつきNT$1590、あるいは1000本につきNT$1590、高いのほうが算入されます。
1000本または1kgに満たない場合は、比例に基づき課税。
たばこ製品は別途健康福祉税を徴収します。金額は以下の通りです。
- 紙巻たばこ:1000本につきNT$1000 。
- 葉たばこ:1kgにつきNT$1000。
- シガー:1kgにつきNT$1000。
- その他のたばこ製品:1kgにつきNT$1000。あるいは1000本につきNT$1000、高いのほうが算入されます。
酒の課税項目および徴収税額は以下の通りです。
- 醸造酒:
- ビール:1リットルにつきNT$26。
- その他の醸造酒:1リットルごとに、アルコール成分1度につきNT$7。
- 蒸留酒:1リットルごとに、アルコール成分1度につきNT$2.5。
- 再製酒:アルコール成分が容量の20%を超える場合、1リットルごとにNT$185。アルコール成分が容量の20%以下の場合、1リットルごとにアルコール成分1度につきNT$7。
- 料理酒:1リットルにつきNT$9。
- その他の酒:1リットルごとに、アルコール成分1度につきNT$7。
- アルコール:1リットルごとにNT$15。
1リットルに満たない場合は比例に基づき課税。
免税と返金
免税 |
返金 |
酒・たばこに以下の状況がある場合、免税とします。
- 別の課税たばこや酒の製造に利用する場合。
- 国外へ販売する場合。
- 展示会に出展する場合で、展示会終了後に工場または輸出者に返却する場合。
- 旅行客が海外から手荷物として持ち込んだ個人用の酒・たばこ、または陸上勤務に異動になった船員の個人用に携帯する酒・たばこで、政府の規定する範囲を超えない場合。
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すでに納税済みの酒・たばこで、以下の状況がある場合、酒・たばこ税を返金することができます。
- 国外へ販売する場合。
- 輸出商品製造の原料として使用する場合。
- 売れ残り、工場に返品する場合や、課税対象のたばこ・酒として加工する場合。
- 変質、損壊、品質不良など政府の規定する基準に満たず、販売を停止する場合。
- 製造または輸入業者が酒・たばこを運送または保存する過程において、火災、水没、その他の不可抗力による災害に見舞われ、物品が消滅した場合。
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徴税手順
メーカーは当月出庫する酒・たばこの税金を翌月15日までに自主的に公庫に納付し、財政部の規定する書式で税額申告書に記入し、納付書控えとともにの主管税務機関に申告する必要があります。納税の必要がない場合でも、主管税務機関に申告する必要があります。
輸入たばこ・酒の納税義務者は税関で申告し、税関が徴税機関に代わって税金を徴収します。
裁判所およびその他の機関が税金未納の酒・たばこを競売にかける場合、落札者はその物品受領前に所在地の主管徴税機関にて納税申告を行います。