2021-02-26
台湾と米国は昨年11月20日、「台米経済繁栄パートナーシップ対話(Taiwan-US Economic Prosperity Partnership Dialogue、略称EPPD)」に関する備忘録(MOU)に調印した。これは「サプライチェーン」、「5G(第五世代移動通信システム)と通信セキュリティ」、「サイエンスとテクノロジー」、「インフラ建設」など7分野での台米連携を目指すもの。米国在台協会(AIT。米国の対台湾窓口機関)と台北駐米経済文化代表処(米国における中華民国大使館に相当)は今月5日、そのうちまず半導体産業の「サプライチェーン」に関して、EPPDの枠組みで初となる座談会をオンライン開催した。台湾と米国の関連企業、シンクタンク、全国規模の業界組織などが招かれて参加した。業界関係者同士の対話や政策への提言をボトムアップ形式で吸い上げた上で、改めて政府間対話を行って政策を形成することで、双方の産業の結びつきを効果的に深化させるのが狙いだ。
経済部の王美花部長(=経済相)は挨拶で、「台湾は米国のハイテク産業にとって長い間、信頼できるサプライヤーだった。双方は半導体産業で緊密な協力関係にある。近年は5GやAI(人工知能)といった新興技術が幅広い産業に応用され、また自動車用半導体チップのニーズが大幅に増加する中、半導体産業の重要性がさらに浮き彫りになっている」と述べた。
座談会では台米双方の業界関係者が一致した見方を示すと共に、半導体のサプライチェーンで持つ台米の優位性は相互補完・依存の関係にあり、これが世界の半導体産業における台米の指導的地位を盤石なものにしていると繰り返し強調された。業者関係者からは、さらなる人材、研究・開発、投資分野での交流強化の必要性が指摘されたほか、知的財産権や営業秘密の保護の重要性も強調された。また、台米が近い理念を持つ国々とアライアンスを組織し、研究・開発した技術を共同で保護すべきだという指摘もあった。なお、各界から関心が寄せられている自動車用半導体チップの不足問題に関しては、米国の政府関係者や業界組織が中華民国(台湾)政府や業者の積極な協力に対して感謝する場面もあった。
座談会ではこのほか、台米は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)に参加するか、あるいは二国間の貿易協定を締結して、サプライチェーン連携をより深化させるべきだとの指摘もあった。また、双方の政府がWTO(世界貿易機関)の情報技術協定(ITA)拡大交渉を通して、世界の半導体貿易の自由化を促進するよう提言がなされた。
資料來源: 外交部
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