2020-09-22
AI(人工知能)は次の10年で最も重要な技術になると見られている。台湾では半導体のサプライチェーンをつなげることで、AIに関する市場獲得を急ぐため、行政院(内閣)科技会議オフィスと経済部技術処がサポートする中、21日には「台湾人工智慧晶片聯盟」(AI on Chip Taiwan Alliance, AITA:以下、「台湾AIチップ連盟」)の会員大会が開催された。会場には産官学に研究団体、同業組合や業界団体の代表が集まり、連盟というプラットフォームを通じて国内外の業者がデバイス側におけるAIチップ技術の開発を話し合ったほか、様々な研究成果の発表も行われた。
行政院の沈栄津副院長(副首相)は、新型コロナウイルスが全世界の景気に深刻なダメージを与える中、台湾の半導体は競争力を依然として保っている世界でもまれな産業であり、台湾の業者は世界の大手メーカーから信頼される提携パートナーになっていると説明。その上で、連盟が各業者の力を結集してAIのソフトウエアとハードウエア両面での標準インターフェイスを制定して技術開発とサプライチェーンの連結に取り組むことでAIの産業化と産業のAI化を実現し、台湾経済の向こう20~30年の成長を支えるよう期待した。
スマート国家にまい進することは政府の一貫した施政方針だとする経済部の王美花部長(大臣)は、同部は昨年台湾AIチップ連盟を立ち上げ、「大勢で共に戦う」決意をもって台湾のAIチップ産業にとっての優れた環境を整備しようと努力していると説明。王経済部長によると、同連盟の会員数は昨年7月の結成以来すでに100社を超えており、会員間の分業体制の垂直/水平統合が進んでいる。また、米シノプシス社などEDAソフト大手が台湾向け投資を追加、台湾の産業とソフト及びハード面で互いに補う形となり、より多くのイノベイティブな応用製品が生まれているという。
「AI on Chipモデル計画」準備チームの召集人を兼務する科技部(日本の省レベル)の呉政忠部長(大臣)は、政府の打ち出している「5+2産業イノベーション計画」では、AIやIoT(モノのインターネット)、スマートシステムを推進の主要対象としており、中でもAIは自動運転車やスマートライフ、ロボットなどの応用サービスにおいて極めて重要で、AIチップの発展はこうした機器に対して決定的な影響力を持つと強調。そして、台湾は世界をリードする半導体製造技術やカギとなる技術の開発能力、さらには完備された人材育成システムなどの優位性を生かし、AIチップのエコシステムを構築しなければならないと訴えた。
財団法人工業技術研究院(ITRI)の李世光董事長(理事長)は、新型コロナウイルスの影響が広がる中、今年は遠隔コミュニケーションの需要やヴァーチャル・エコノミーの台頭が5G(第五世代移動通信システム)ならびにブロックチェーン、情報セキュリティなどのレベルアップを促したほか、AIとクラウド技術の価値を倍増させたと解説。その上で李董事長は、こうした需要は企業が単独で生み出せるものではなく、「共に創り出し、共に栄える」ことこそ、今後事業を展開していく上でのトレンドになると予想、台湾AIチップ連盟は川上・川中・川下の業者が集まり、ソフトとハードが統合されており、同じ標準インターフェイスで結び付くことでAIチップのデザインとテスト時間を短縮すべきだと主張した。また、工業技術研究院は半導体の良好な基礎と技術を今後も応用し、台湾がAIの新たなブルーオーシャンで共栄の局面を切り開けるよう技術面からサポートしていくとしている。
Sources:Taiwan Today;2020年09月22日
資料來源: 経済部技術処
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