2019-07-03
世界中で人工知能(AI)分野の商機獲得が争われる中、AIチップの開発が重要視されている。AIチップは、今後開発されるAIを導入した機器の鍵となる要素で、特に台湾の半導体産業が各業界から見込まれていることから、この商機が台湾にとって次世代の新たなチャンスとなることが期待される。このため、 行政院科技会報(BOARD OF SCIENCE AND TECHNOLOGY)オフィスは2日、経済部(日本の経済産業省に相当)指導のもと、産学研が提携した「台湾AIチップ連盟(AI on Chip Taiwan Alliance,AITA)」を立ち上げた。鈺創科技(イートン・テクノロジー)、聯発科技(メディアテック)、聯華電子(UMC)、廣達(クアンタ・コンピュータ)、台達電子(デルタ電子)を始めとする国内外の50社以上の半導体およびICTメーカー、台湾の大学や財団法人工業技術研究院( 工研院、ITRI)などの国家レベルの研究・開発機関を集めて、共同でAIの生態系の構築、主要技術の発展を目指し、製品の開発スピードを加速させ、全力でAIチップ市場を獲得するのが狙いだ。
行政院が推進する「台湾AI行動計画」では、積極的にスマート産業の発展を支援し、「5+2」産業イノベーション計画(5大イノベーション産業、アジアのシリコンバレー・スマート機器・グリーンエネルギー・バイオ医療・国防産業に新農業と循環型経済を加えたもの)を促進する。AIチップの処理能力はすべてのスマート産業発展の中核となるという。
「台湾AIチップ連盟」の設立は、システム応用の観点からスマートデバイスに搭載されるAIチップの発展を促し、AIoT(モノのインターネット(IoT)と人工知能(AI)を組み合わせた技術)生態系との接続を目的とする。さらに台湾が、世界における AIイノベーションの研究・開発拠点及びAIを搭載したスマートデバイスの輸出国となるよう努める。
AIチップ市場全体の生産額は2022年に、5,000億台湾元(約17億日本円)まで達するとみられる。台湾は、半導体、ICT産業などの強みを生かすことが可能で、更に海外の著名な大手企業にとって信頼できるビジネスパートナーでもあることから、スマートデバイスに搭載されるAIチップの発展に有利だといえる。そのため、AIチップの設計業者が、柔軟性がありマルチタスクが可能な自主設計能力を習得するよう援助が必要だ。また、製造及びパッケージ業者が少量で多様なオーダーに対応できるよう、速やかに技術的に不十分な点について解決するよう経済部が産学研のリソースを統合し、台湾AIチップ連盟を立ち上げた。具体的な目標は、業者が負担するAIチップ研究・開発のコストを10分の1に減らし、半年以上はかかるとされる開発スケジュールを短縮させ、台湾の業者が世界のAIチップ産業を牽引するようサポートしていくことだ。台湾AIチップ連盟はまた、マルチタスク能力、柔軟性があり、低消費電力の機能を備えたAIチップ構造を産出するとしている。台湾の半導体産業が他を追い越し、世界のAIチップ市場でベスト3までの地位を確認できるよう努める。
優れた機能を持つAIチップは、システムの性能とアプリケーションサービスの質を決める。そのため台湾では今後、AIチップ業者、ソフトウエアシステム、サービス業者による共創メカニズムを構築し、台湾製のAIチップが世界のアプリケーションサービスのブレーンとなることを目指す。
行政院は、「台湾AI行動計画」と「AI on Chipモデル計画」政策の方針に連携し、「台湾AIチップ連盟」を推進する。台湾の主な半導体設計、製造、パッケージ、ソフトウエア、ICTシステム業者を連結させるほか、川上から川下までの垂直統合型サプライチェーンを構築し、更にそれらを国際的なクラウド事業者のインターフェースとなるよう進める。電子設計自動化ソフトウエアのメーカーや潜在能力を持つスタートアップ企業が分野を越えてつながりを持ち、全力でAIチップとスマート機械のアプリケーションプログラムの研究・開発を促進させ、台湾の産業が次世代のスマート革命期に優位性が持てるようにすると同時に、あらゆる場所にAI技術を導入し、市民にとって便利なスマート環境を構築する。
「台湾AIチップ連盟」は、台湾半導体産業協会(TSIA)と提携し、会員は50社を越える国内外の半導体、ICTメーカーを含む。主要な三大プロジェクトは、「AI生態系の構築」(AIチップとアプリケーションシステムを連携させ、AI時代を牽引していく)、「重要技術の開発」(業界のトップとして、将来性のある技術を発展させ、台湾のAI産業の向上を促す)、「製品の開発スピードの加速」(関連する規格の制定と推進、AI製品開発のスピードを加速する)。また技術的なニーズに対応するSIG(Special Interest Group)を設立し、学術研究機関と連携させる。
資料來源: 外交部
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